2027年、日本への投資に関する外為法のルールが変わります。外国企業による会社設立や出資、ソフトウェア事業、役員の重任などを予定している場合は、取引前の確認が大切です。
今回の改正には、審査対象を広げる内容と、一定の手続を不要にする内容の両方があります。すべての外国投資が一律に厳しくなるわけではありません。
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いつから変わるのか。自社の取引に関係するのか。今、何を準備すればよいのか。
外国企業・海外投資家の方に向けて、実務に関係するポイントをご紹介します。
外為法とは、どのような法律ですか?
外為法は、海外との取引や外国投資家による日本への投資などについて定めた法律です。正式名称は「外国為替及び外国貿易法」といいます。
外国投資家が日本の会社に出資する場合などには、会社設立や登記とは別に、投資を行う前の「事前届出」や、投資後の「事後報告」が必要になることがあります。
事前届出の対象は、安全保障などの観点から定められた事業への投資です。ただし、投資家や取引の条件によっては、届出を免除する制度を利用できる場合もあります。
いつから新しいルールになりますか?
改正法は2026年6月5日に公布され、主要部分は2027年1月4日に施行されます。一部の規定は、すでに施行されています。
また、財務省は、関係政省令・告示について、次の日程を公表しています。
取引を行う日や経過措置によって適用関係が異なるため、年末から翌年にかけて出資や会社設立等を予定している方は、早めに確認しておきましょう。
ソフトウェア会社への出資は、届出が不要になりますか?
一律に不要になるわけではありません。
今回の見直しでは、ソフトウェア業等について、安全保障上の必要性が高い事業を指定業種として残し、それ以外を対象から外す整理が行われます。一方で、重要な技術を保有する法人等への投資は、新たに対象となります。
そのため、「ソフトウェア開発会社」「AI関連企業」といった名称だけでは判断できません。確認に当たっては、次のような事業の具体的な内容を整理することが大切です。
- どのような製品・サービスを提供するか
- 誰が、何のために利用するか
- どのような情報や技術を取り扱うか
当事務所では、定款の事業目的だけでなく、実際の事業計画も伺ったうえで、必要な確認を進めます。
同じ役員が続けて就任する場合も、届出が必要ですか?
今回の見直しでは、事前届出を経て就任した役員等が、任期満了後も引き続き就任する「重任」について、原則として事前届出を不要とします。
ただし、届出者が免除制度を利用できない場合や、役員の国籍・所在国、会社の対象事業などに一定の変更がある場合には、引き続き届出が必要です。
重任登記を準備する際には、前回の届出書と、その後の変更内容もあわせて確認しておくとよいでしょう。
海外親会社の買収でも、日本の手続が必要になりますか?
日本子会社の直接の株主が変わらなくても、確認が必要になる場合があります。
例えば、日本子会社を持つ海外企業が、別の外国投資家に買収されるケースです。
今回の改正では、このように海外企業の買収等を通じて日本企業の株式等を間接的に取得する行為も、一定の条件の下で規制対象となります。すべての海外買収が対象となるわけではなく、投資家、取得割合、支配関係、投資先の事業等を確認します。
海外本社で買収やグループ再編を進める場合は、日本側にも早めに情報を共有することが大切です。
そのほか、どのような点が変わりますか?
外国政府等の支配・影響下で行われる一定の国内投資についても、対象を見直します。また、一定のリスクの高い外国投資家による非指定業種への投資について、投資後に必要な対応を求める制度が設けられます。
さらに、届出で約束した安全保障上のリスクを軽減するための措置については、その内容を変更する場合などの手続が明確になります。
投資前の届出だけでなく、投資後に守るべき条件や報告も確認しておく必要があります。
会社設立や出資を予定している方は、何を準備すればよいですか?
まずは、次の資料や情報を整理すると、確認を進めやすくなります。
- 出資者と海外親会社の情報
- グループの資本関係図
- 日本で行う事業の具体的な内容
- 出資・株式取得・役員選任等の予定日
- 過去の外為法届出書や報告書がある場合は、その控え
登記ができることと、外為法上の手続が不要であることは、別の問題です。
契約や払込み、株主総会等の日程を決める段階から、並行して確認することをおすすめします。
外為法と会社登記を、同じ専門家に相談できます
司法書士・行政書士 誠和事務所では、代表の末廣瑛美が、日本語・中国語・英語で直接対応します。
海外親会社や出資者との情報整理から、案件に応じた外為法上の届出・報告、会社設立・増資・役員変更等の登記まで、一つの流れでご案内します。
「今回の改正が自社に関係するか分からない」という段階でも、予定している取引と事業内容をお知らせください。
お問い合わせ・ご相談はこちらあわせて読む:外為法の事前届出と免除制度|AI・ソフトウェア企業の日本進出を支援
参考資料:
財務省「2027年(令和9年)施行 外為法改正 関連資料」
財務省「改正法の施行に伴う関係政令等について」(2026年9月16日)
財務省「対内直接投資審査制度の見直しについて」(概要資料・PDF)
※2026年10月28日時点の公表資料に基づきます。届出・免除・報告の取扱いは、投資家の属性、事業・取引内容、実行時期及び経過措置等により異なります。個別案件について確認のうえご案内します。