中国古典と士業の精神(二)|信頼と基本を大切にする

4「人而无信,不知其可也。民无信不立。」――信頼なくして成り立たない

人而无信,不知其可也。民无信不立。(人は信頼がなければ成り立たず、社会もまた信頼なしには成立しない。)
——《论语》

士業にとって、最も大切なのは「信用」かもしれません。
資格や肩書きだけではなく、「この人なら安心して任せられる」と感じていただけること。

小さな約束を守ること。
丁寧に説明すること。
相手の不安に真摯に向き合うこと。
そうした積み重ねが、少しずつ信頼になっていくのだと思います。

信用とは、一朝一夕で得られるものではありません。
だからこそ私は、目の前の一件一件を、丁寧に向き合うことを大切にしています。

5「君子务本,本立而道生。」――基本を大切にする

君子务本,本立而道生。(君子はまず根本を大切にする。根本が確立されれば、道は自然に生まれる。)
——《论语・学而篇》

どれほど経験を積んでも、法律実務において基本を疎かにしてはいけません。
丁寧に確認すること。
依頼者の話を最後まで聞くこと。
一つひとつ誠実に積み重ねること。
華やかな技巧よりも、当たり前のことを丁寧に続けること。
実は、それが最も難しく、最も大切なのだと思います。

私は、中国古典の言葉に触れるたびに、「人としてどう在るか」を問い直されるような気持ちになります。
競争に勝つためだけではなく、
どう学び、どう信頼を積み重ね、どう人を支えるか。

司法書士・行政書士という仕事もまた、知識や資格だけではなく、「人としての在り方」 が静かに問われる仕事なのかもしれません。
そして私は、その静かな責任と美しさに、深く惹かれています。


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